医療職以外の方によるストーマ装具交換に関する指針

ストーマ保有者及びストーマケアを実施される皆さまへ

平成23年6月5日、公益社団法人日本オストミー協会から「ストーマおよびストーマ周囲の状態が安定している場合など(中略)ストーマ装具交換は原則として医行為には該当しないのではないか」との照会が厚生労働省宛てに提出されました。その後、同年7月5日、厚生労働省医政局医事課長より、実施に当たり医師・看護職員との密接な連携を図れば医行為に該当しないとした同意の回答と、各都道府県への通達がございました。これにより専門的な管理を必要としないストーマの装具交換は医行為から外れ、医師や看護師以外による装具交換が可能となりました。

これを受けて、日本創傷・オストミー・失禁管理学会では、ストーマ保有者の安全を第一に考慮し、医療職以外の方によるストーマ装具交換に関する指針を策定することと致しました。

この指針が、皆さまの安全かつ安楽な生活に繋がるよう活用していただければ幸いです。

平成24年6月吉日

日本創傷・オストミー・失禁管理学会
理事長 真田弘美
認定看護師委員会

問合せ先:日本創傷・オストミー・失禁管理学会事務局
〒169-0072東京都新宿区大久保2-4-12新宿ラムダックスビル
TEL:03-5291-6231 FAX:03-5291-2176
E-mail:etwoc@shunkosha.com

当学会における装具交換に関する指針(ストーマケアガイド)

1. はじめに

学会が立ち上げたワーキンググループでは、専門的な管理を必要としないストーマの装具交換は医行為から外れ、医師や看護師以外による装具交換が可能となったことを受けて、ストーマを造設する疾患・ストーマの種類・ストーマの形状・ストーマ晩期合併症というストーマの局所条件別に分けて医療者が介入しなければならないストーマ保有者はどのようなケースであるかを検討した。しかし、ストーマの形状・種類に関わらず合併症ならびに管理困難といわれるストーマケアの内容は非常に個別性が高いため、ストーマ局所の条件だけで医療者の介入を必要とするかの選別するのは難しいという結論に至った。

そこで、今後ストーマ装具交換の依頼を受けると予測される介護現場(在宅や介護施設など)の現状とストーマ保有者の不安について理解を深める必要があると考え、参考資料を基に検討を行った。その結果、介護現場の現状としては、多忙で、かつ介護職の人手不足から業務内容への不満や不安を生じていることが明らかとなった。そのため、介護職に装具装着に工夫が必要なストーマケア等を依頼することは困難であることが予測された。ストーマ保有者の不安の内容は「高齢や寝たきり、半身不随によりストーマケアができなくなる」が大半を占めており、将来のストーマケアにおける支援体制が整っていないことに不安が大きいことがわかった。

これらを鑑み当学会としては、専門的な管理を必要とするか否かを選別する基準を設けることが重要なのではなく、ストーマ保有者やその介護に従事する介護職双方の不安を取り除くために、日常的に相談できる窓口を設けることが先決であると考えるに至った。当学会はすべてのストーマ保有者がストーマ外来でフォローされる体制を目指してストーマ外来の情報提供を行い、今後も活動を行っていくこととし、医療者以外によるストーマ装具交換の指針は以下のような方向性とした。

2. ストーマ装具交換に関する指針

  1. 1)管理面で長期的に問題が起きず、安定しているストーマであれば、医療者以外の方でも装具交換が行える。
  2. 2)合併症がある場合でも、定期的にストーマ外来に通院している、または訪問看護を受けているなど、医療職の関与がある場合は、定期的に連携を図ることを条件に医療職以外の方も装具交換を行える。
  3. 3)手術を行った病院や当学会ホームページ掲載のストーマ外来に相談してもらう。その際には「ストーマ携行カード」の持参が望まれる。
  4. 4)諸事情により、医療職によるサポートを受けていない(受けられない)場合には、当学会が作成した「ストーマケアをされるご家族及び介護職の方へ」やメール相談サイトを参考に家族あるいは介護職が対応する。

3. ストーマ相談ガイド

医療職以外の方がストーマ装具交換を行う際に、少しでも異常を感じた場合や不安に思った場合、共通の対応が可能となるよう「ストーマケアをされるご家族および介護者の方へ(困った時のストーマ相談ガイド)」を作製した。資料のダウンロードと印刷はこちらから

4. ストーマ携行カード

ストーマ外来で診察を受けていない方や旅行先での緊急時、災害時に医療機関が対応できるよう、ストーマ携行カードを作製した。このカードを記入して携行していれば、いざというときにストーマ外来の受診が円滑となる。カードのダウンロードと印刷はこちらから

5. ストーマ外来リスト

ストーマ保有者やそのケアを実施する方々の相談窓口がどこにあるのかを提示するために、当学会ホームページにストーマ外来リストを掲載した。ストーマ外来では専門的な知識を持った医師・看護師が対応する。ストーマ外来受診時は、使用中の装具などの持参をお願いしている。当学会では、ストーマ保有者のストーマ外来受診やストーマ外来と地域の連携を勧めている。

ストーマ外来リストの閲覧はこちらから

6. 参考資料

  • 「介護サービス施設・事業所調査結果」(平成21年度厚生労働省統計情報部社会統計課より)
  • 「介護労働実態調査結果」(平成22年度介護労働安定センター調査より)
  • 「訪問看護ステーションにおけるストーマケアの現状」の調査報告(平成19年日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会誌より)
  • 「訪問看護ステーションにおけるストーマケアに関する調査報告書」(平成23年3月公益社団法人日本オストミー協会HPより)
  • 「オストメイト生活実態調査報告書」(平成23年3月公益社団法人日本オストミー協会HPより)