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ストーマケア情報ストーマ周囲皮膚障害のケア
2014.05.02

日本語版 The Ostomy Skin Tool

1.「The Ostomy Skin Tool」とは

ストーマ周囲皮膚の障害を評価するツールとして、2008年に12名から成るコロプラストのグローバルアドバイザリーボード委員が「The Ostomy Skin Tool」を開発しました。
これは、以下の3つから構成されています。

  • 1)DET score:ストーマ周囲皮膚障害の得点化
  • 2)Diagnostic guide:ストーマ周囲皮膚障害のアセスメント
  • 3)Stoma-QOL:患者のQOL評価

この「DET score」と「Diagnostic guide」は、各国の12人のストーマケアナースで国際的なグループを編成し、文献レビュー、エキスパートオピニオン、他の皮膚疾患尺度を基にし、さらに皮膚科医の助言を得て作成されています。「Stoma-QOL」は、睡眠、性的活動、家族との関係、社会的関係の4つのドメインの20項目の質問で構成されており、妥当性が確認されています。

2.「The Ostomy Skin Tool」を使用することのメリット

  • 1)DET score」を使用することで、ストーマ周囲皮膚を観察することによって障害があればその状態を経時的に評価ができます。
  • 2)「Diagnostic guide」は観察したことをシステム化された記述の中から選択することによって、皮膚障害の原因の推定と皮膚障害の分類ができ、そのアセスメントに沿ってケアを提供することができます。
  • 3)Stoma-QOLはマズローの理論に基づき開発されているため、ストーマと共に生活する上で生じる問題点を見いだすことができます。そのため、皮膚障害等を有するストーマ患者様のケアに活用すると、総合的なQOLの変化を把握できるだけでなく、ケアによって生活のどの場面が改善したかを明らかにすることができます。

 

3.日本語版「The Ostomy Skin Tool」の作成

ストーマ周囲の皮膚障害は、排泄物等によるものやアレルギーによる接触皮膚炎、機械的外傷、感染、原疾患に関連する皮膚病変と病態が様々であり、その評価は難しいとされていますが、「The Ostomy Skin Tool」を使用することでストーマケアの質向上に貢献することが期待されます。そこで、日本語版を学会で作成いたしました。
日本語版の作成にあたり、日本創傷・オストミー・失禁管理学会(前:日本ET/WOC協会)が翻訳グループを結成し、版元に翻訳と使用許可を取得したのち、日本に居住する日本人看護師3名が順翻訳を行いました。そして、ストーマケアを専門とするWOCN(皮膚・排泄ケア認定看護師)が原版の構成概念に対する正確さを討議したうえで、その訳を1つにまとめました。次に、順翻訳に携わっていない日本人翻訳者とバイリンガルのWOCNが逆翻訳を行った内容を基に、その内容を確認・修正したうえで原著者から使用許可を得ました。そして、先に紹介した3つからなる「日本語版The Ostomy Skin Tool」が作成されました。

以上のプロセスを経て作成された「日本語版The Ostomy Skin Tool」は、日本創傷・オストミー・失禁管理学会がその著作権を有しており、コロプラスト社とはその使用に際して何の利益相反の関係もありません。一方、コロプラスト社は同内容の「日本語版The Ostomy Skin Tool」を印刷、配布する権利のみを有しています。

※会員の方はPDFをダウンロードできます。
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日本語版 The Ostomy Skin Toolの3つのスコアを紹介します

①日本語版DETスコア
(ストーマ周囲皮膚障害の得点化)

学術教育委員会(オストミー・スキンケア担当)

2014/05/02 掲載

「DET score」を使用することで、ストーマ周囲皮膚を観察することによって障害があればその状態を経時的に評価ができます。

会員の方はPDFのダウンロードが可能です。

※本書の無断複写は著作権法上での例外を除き禁じられています。著作権は、日本創傷・オストミー・失禁管理学会に帰属します。複写する場合は、事前に許諾を得てください。

②日本語版診断ガイド
(ストーマ周囲皮膚障害のアセスメント)

学術教育委員会(オストミー・スキンケア担当)

2014/05/02 掲載

「Diagnostic guide」は観察したことをシステム化された記述の中から選択することによって、皮膚障害の原因の推定と皮膚障害の分類ができ、そのアセスメントに沿ってケアを提供することができます。

会員の方はPDFのダウンロードが可能です。

※本書の無断複写は著作権法上での例外を除き禁じられています。著作権は、日本創傷・オストミー・失禁管理学会に帰属します。複写する場合は、事前に許諾を得てください。

③日本語版Stoma-QOL(患者のQOL評価)

学術教育委員会(オストミー・スキンケア担当)

2014/05/02 掲載

「Stoma-QOL」はマズローの理論に基づき開発されているため、ストーマと共に生活する上で生じる問題点を見いだすことができます。そのため、皮膚障害等を有するストーマ患者様のケアに活用すると、総合的なQOLの変化を把握できるだけでなく、ケアによって生活のどの場面が改善したかを明らかにすることができます。

会員の方はPDFのダウンロードが可能です。

※本書の無断複写は著作権法上での例外を除き禁じられています。著作権は、日本創傷・オストミー・失禁管理学会に帰属します。複写する場合は、事前に許諾を得てください。

2009年 教育セミナー「DETスコアの採点結果と解説」を紹介します

DETスコアの採点結果と解説

学術教育委員会(オストミー・スキンケア担当)

2009/05/08 掲載

2009年5月8日の教育セミナーにおいて、参加者の皆様と採点した10症例のDETスコア採点結果と解説です。採点は、DETスコア開発メンバーであるLina Martins先生が確認の上、提示しております。
DETスコアの「ツールの使用方法」に記載されていること以外に、採点上留意すべき点を以下に説明します。

<障害部位範囲>
面板の範囲は、皮膚保護材の部位です。周囲にテープがついている製品では、テープ部位は入りません。

<領域1:色調変化の採点>
色調変化の障害と判断するのは、"面板貼付部以外の皮膚と比較し、色調が異なる部位"です。
びらんと組織過形成の部位は、色調変化と判断します。
重症度は、色調変化の部位によって1点と2点がある場合には、2点と評価します。

<領域2:びらんの採点>
重症度は、皮膚損傷部位の中で最も深い皮膚損傷部位で評価します。ただし、粘膜の皮膚移植は皮膚欠損部位ではないため評価対象となりません。

<領域3:組織過形成の採点>
組織過形成は、周囲皮膚より突出しているあらゆる組織をさします。例えば、偽上皮腫性肥厚、粘膜移植、潰瘍化した場合の肉芽組織の過形成等が該当します。
"痛み"という観察項目があるので、ストーマ患者様に組織過形成部の疼痛の有無を確認する必要があります。

会員の方はPDFのダウンロードが可能です。

※本書の無断複写は著作権法上での例外を除き禁じられています。著作権は、日本創傷・オストミー・失禁管理学会に帰属します。複写する場合は、事前に許諾を得てください。

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