失禁ケアについて

C(in Continence)=失禁(尿や便の漏れ)ケア

尿失禁、便失禁(尿や便の漏れ)には様々な原因があります。いつ、どのように、どのぐらい、漏れるのかによって対処方法が異なります。漏れが起こらなくても、何回もトイレに行ったり(頻尿、下痢)、尿や便が出にくかったりと排泄にまつわる症状によってお困りの方もいらっしゃるでしょう。
また、パッドやオムツを使用することで皮膚がかぶれてしまうこともあります。排尿や排便にまつわる症状については医師の診察が必要になります。ここでは、失禁関連皮膚炎(皮膚のかぶれ)を予防するケアを中心に紹介します。

尿失禁(尿が漏れる)や
頻尿(何回も尿がしたくなる)

排尿にまつわるトラブルとして、尿失禁や頻尿などがあります。

泌尿器科外来や排尿ケアを専門にしている外来を受診することで、様々な検査等により失禁の原因を明らかにし、体操(骨盤底筋体操)や日常生活指導を受けることができます。

便失禁(便が漏れる)や
下痢(何回も便がしたくなる)

排便にまつわるトラブルとして、便失禁や下痢に加えて、便が出にくかったり、便が出ない、さらに排便後もすっきりしないなどが挙げられます。

排便ケアを専門にしている外来では、このようなトラブルの原因を踏まえて排便訓練や日常生活指導を受けることができます。また、水様便や泥状便の失禁が続くと皮膚トラブルも生じやすくなります。

失禁関連皮膚炎(皮膚のかぶれ)を
予防するケア

尿や便は皮膚にとってアルカリの刺激であるため、パッドやオムツが尿や便で汚染した状態で長時間経過すると、皮膚のバリア(刺激から守る)機能が壊れてしまいます。
また、パッドやオムツ内の環境は高温、多湿(しめっている)になっており、皮膚は蒸れて、ふやけてしまいます。さらに、排尿や排便後に、ふやけている状態の陰部や肛門周囲の皮膚をトイレットペーパーやウエットティッシュで拭き取ると、皮膚にこする刺激が加わり、目に見えないぐらいの細かい傷が皮膚にできます。そこにまた尿や便が付着することによって、皮膚の炎症が強くなり、皮膚のかぶれが悪化します。

便が皮膚に接触して肛門周囲が赤くかぶれています。このようにならないよう、撥水クリームなどを皮膚に塗り、便が皮膚に接触するのを防ぎます。(下の写真は水が弾かれている写真です。撥水クリームの効果を表しています。)

皮膚のかぶれを予防するためには、尿や便が皮膚に付着しないよう、油性清浄剤(油分を含むおしり拭き)や撥水クリーム(肛門周囲専用の水分を弾いて皮膚を保護してくれるクリーム)などを使用して皮膚を守ります。 また、排尿や排便後に皮膚を擦らず、軽く押さえ拭き程度にしたり、弱酸性の洗浄剤で陰部や臀部(おしり)の皮膚を洗うようにしましょう。ただし、洗い過ぎは禁物です。1日1〜2回程度にとどめておきましょう。