理事長挨拶

理事長 渡邊 千登世
一般社団法人
日本創傷・オストミー・失禁管理学会
理事長 渡邊 千登世

このたび、第8期理事長を拝命いたしました。歴代理事長の皆さまが築かれた道筋に心から敬意を表し、その志を継承しながら、新たな歩みを進めてまいります。

本学会は創設以来、4AEPP(Academic activities, Education, Professional work, Political activity) を軸に発展してきました。第1~3期では、ABCD-Stoma®、ABCD-Stoma®ケアの開発、失禁領域での診療報酬獲得、特定行為研修への参画、スキン-テアのベストプラクティス発刊など、学術基盤の整備と制度的前進が成し遂げられました。

第4~5期には、これらを引き継ぎながら、新たに臨床スキンケア看護師養成や外来看護師活動の評価、さらにICTを活用した遠隔看護支援の試みが始まりました。そして第6~7期では、こうした取り組みを基盤に、国際発信の強化や、排便管理講習会の創設など、これまでの活動をさらに発展させるとともに評価と改善(Check & Improvement)を加えた4AEPP-CIを達成し、本学会は国内外でひときわ存在感を高める段階に至りました。

このような発展の流れを受け、第8期では以下の方針を掲げます。

Academic activities
― 国際的な学術発信の深化

これまで培われたエビデンスとプロダクツを、さらに国際的に広めます。英語によるオーラルやポスター発表の機会はもとより、アジアをはじめ世界におけるWOCケアの発展に貢献します。

Education
― 新世代・多世代への学びの場の提供

若い看護師がWOC領域に関心を抱けるよう、研修や教育プログラムを一層魅力あるものにいたします。
また、長年の経験を持つ「プラチナWOCN」が教育や地域活動で活躍できる仕組みを整え、世代を超えた学び合いを促進します。

Professional work
― データ活用による活動の可視化と質の保証

ICTとデータベースを活用し、会員の実践や成果を共有・分析できる仕組みを構築します。臨床スキンケア看護師など多様な活動が客観的に評価され、臨床現場での信頼性を高めることにつなげます。

Political activity
― 持続可能な制度設計への提言

少子高齢社会において必要性が高まるWOCケアを、制度面からも支えるべく活動を展開します。診療報酬や地域包括ケアへの提言を強化し、国民に広く恩恵が行き渡る仕組みづくりを模索します。

第8期は、「つなぐ、育てる、拓く WOCケア」を合言葉に、国際発信、会員サービスの充実、次世代育成、そして国民のQOL向上に資する活動を推進してまいります。これまでの歴代理事長が築いた4AEPPを基盤にこれらを統合し、学会の持続可能な未来を拓く段階です。会員の皆さまとともに、次世代に誇れる学会活動を進めてまいりたいと考えておりますので、引き続き、ご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。